1.単元の目標
○文化遺産としての群馬方言の価値を知り、残そうとする。
○方言調査を通して、大人とのコミュニケーションを経験し、異世代とのコミュニケーション能力を高める。
2.学習内容と子どもの活動
上の地図は明治36年以前生まれの人を対象に調査した「片足跳び」の言語地図の略図である(佐藤亮一監修『お国言葉を知る方言の地図帳』2002小学館)。群馬県では、吾妻・西毛にシンゴ、ビッコ、東毛にコンギとアシコギがある。他にアシガキ、リンリンがあり様々な方言(俚言)がある。東京でも話し言葉は本来チンチンであった。しかし、今や子どもたちの世代では関西から入ったケンケンが有力である。
このように方言は現在急速に失われつつある文化遺産であるという認識のもとに、方言を少しでも残す活動を学習に取り入れ、同時に異世代とのコミュニケーション能力の向上を目指す。地域文化を大切にするために今自分たちができることとして、方言聞き取り調査を実施する。
3.展開のポイント
○方言を教えてもらうインタビューを通して、地元の方言を学ぶ学習であると同時に、方言ライブラリーを作るという地域文化を残すための価値ある活動であることを認識させ、活動意欲を高める。
○身近な遊びの方言を教えてもらうというお年寄りとの交流を通して、異世代とのコミュニケーション能力の向上を目指す。
4.展開例
第1次:「片足跳び」方言地図から方言消滅の現状を知る。(1時間) | |
○「片足跳び」の方言地図を読む。 | ○「片足跳び」の言い方が群馬県内に様々あったにもかかわらず、若い世代では一つの言い方になってしまっていることを知る。 ○インタビュー記録(録音)を方言ライブラリーとして残そうとする。 |
第2次:お年寄りにインタビューする。(3時間) | |
○計画を立てる。 ○インタビュー調査をする。 |
○お年寄りに子どもの遊びについてインタビューするための準備(インタビューの仕方、連絡、お礼、録音器具等)をする。 ○教師は事前に地域への充分な配慮及び手配が必要である。 |
第3次:方言ライブラリーをつくる。(2時間) | |
○方言ライブラリーコーナーを学校図書館に作る。 | ○お年寄りのインタビューの録音を整理し、方言ライブラリーとして学校図書館に保存・公開する。 |