共愛学園前橋国際大学　佐藤髙司研究室

４－３　方言辞典を作ろう

１．単元の目標
　○自分たちのクラスの方言辞典作りを通して、方言の存在に気づき、方言と共通語とを使い分けようとする。
　○共通語でものごとを分かりやすく説明することができる。

２．学習内容と子どもの活動
　空気の存在を意識することがほとんどないように、自分たちが日常使っていることばの存在を意識したことがない子どもも多い。そこで、方言の存在を学ぶことを通して、ことばを改めて意識する契機としたい。方言と共通語の違いを学び、ことばをその時の目的や状況に応じて使い分けようとする態度を育てる学習である。
　自分たちのグループやクラスの中でしか通じないことば（社会方言）の存在に気づき、探し出すことから、自分たちの地域や社会のことばである方言とすべての社会に通じる共通語の存在に気づき対比する。子どもたちは楽しみながらことばを使い分けようとし、方言と共通語それぞれの役割を理解する学習となる。
　この学習では、方言を「全国どこでも通じることば（共通語）ではないことば」と捉え、自分たちのくらすだけの辞典作りを行う。自分たちにしか通じないことばや地域の方言に気づき、それらを共通語で説明する（翻訳する）ことが共通語を使おうとする態度に通じる。

３．展開のポイント
　○自分たちにしか通じないことばの存在への気づきから、共通語と方言の存在と役割についての学習へと発展させる。
　○共通語で説明することの難しさ、大切さを学ばせる。

４．展開例

第１次：方言と共通語の存在を知る。（1時間）
○自分の話が他の場所で通じなかった経験を語りあう。 ○方言と共通語の存在を知る。	○自分の話やことばが、他の場所（家庭や他のクラスや塾など）で通じなかった経験を出し合い、なぜそのようなことが起こるのか、考え、話し合う。 ○クラスだけでなく、日本の中の地域社会にも同様に方言が存在し、そのため共通語も存在することを学ぶ。
第2次：方言カードを作る。（3時間）
○方言カードをつくる。 ○方言に共通語で説明をつける。	○方言カードは辞典への並べ替えを視野に入れ、PCを活用する。 ○自分たちのクラスにしか通じないことばを1枚ずつカードにする。 ○家庭や地域でインタビューしたり図書館で調べたりして、自分の住む地域の方言を1枚ずつカードにする。 ○国語辞書を活用し、方言カードに共通語で説明を書く。使用地域、意味、使用例を必ず書くことにする。
第3次：方言辞書を完成する。（1時間）
○方言辞書を完成する。	○方言カードを50音順に並べ、辞典を完成する。 ○完成した方言辞書は学校図書館に寄贈し、蔵書としてもらう。

４－３ 方言辞典を作ろう

４－３　方言辞典を作ろう